中医学からみた網膜色素変性症


【高風雀目(高風内障)】
 
 高風雀目(高風内障)は夜盲にはじまり、進行性の視野狭窄、視力低下をきたす難治性眼疾患で、現代医学的には網膜色素変性症を包括する概念です。
 本証の多くは先天不足や肝腎労損、脾胃虚弱、気血両虚などにより目失濡養となって発症するとされていますが、日本人の体質的なものを反映しているのか、脾胃の虚弱を背景に持つ患者さんが多いように思えます。また、かつては遺伝性が強く指摘されていたものの、血縁者で同様の疾患を有する患者さんがいないことも珍しくはありません。
 本病は進行性の疾患であるため、鍼灸治療の目的は症状の進行を抑え、視機能を維持し、ADLを良好に保つことが重要になります。
 各証の病因病機は異なるものの、気・血・精によって目竅が滋養されないという部分は共通しています。さらに罹患歴が長くなれば、瘀血、気滞、痰濁などの実邪が目絡を阻滞し、本虚表実を呈してきます。
 治療においては、問診以外に眼底所見なども把握できれば、より詳細な弁証を立てることができ、適切な取穴、手技を施すことが可能になると思います。

 以下に高風雀目(網膜色素変性症)の弁証鑑別一覧表を設けましたので、ご参照ください。
(画像をクリックすると、拡大された表が別ウインドウに表示されます)

 高風雀目鑑別表



 


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秋英堂の名前の由来

治療院名となっている「秋英」とは秋桜、コスモスの中国語名の1つです。花言葉の1つに「調和」ということばがあります。
からだとこころの調和、ひとと自然との調和、ひと同志の調和を目指した治療院にしたいという思いから、「秋英堂(しゅうえいどう)治療院」と名付けました。